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電気工事業の実務経験①

2018/04/02

電気工事業の専任技術者としての実務経験について

資格取得後でなければ認められない実務経験

建設業許可を取得する際に、各営業所に専任技術者を配置しなければならないという要件があります。

この専任技術者になるためには、いくつかの方法があります。(一般許可の場合)

  • 国家資格を持っていること
  • 国家資格を取得し、一定期間以上の実務経験を得ていること
  • 指定学科卒業後、一定期間以上の実務経験を得ていること
  • 許可を取りたい業種の専門工事で10年以上の実務経験を得ていること

指定の国家資格等を取得していれば専任技術者になることができますが、一定の国家資格等は、資格取得後に一定期間以上の実務経験がなければ認められないものがあります。

その中でも電気工事業は、電気工事士法などとの兼ね合いから、電気工事士免状の交付を受けた者でなければ実務経験が認められません

そもそも、電気工事を自社で工事する場合には、建設業許可の有無に関わらず、第1種または第2種電気工事士の資格が必要です

それに加えて、電気工事業を営もうとする法人および個人は、電気工事業の登録、通知、または届け出をしなければなりません

第2種電気工事士の資格で建設業許可を取得する場合は、電気工事士免状の交付後3年以上の実務経験が必要となります。

しかし、第2種電気工事士免状の交付を受けて間もない法人および個人は、電気工事業の登録・通知が必要な電気工事を行うことができません。

また、登録工事業者に必要な主任電気工事士は、第1種電気工事士免状の交付を受けた者か、第2電気工事士免状の交付を受けた後に、登録電気工事業者またはみなし登録電気工事業者等のもとで3年以上、電気工事に従事した実務経験が必要です。

ただし、第2種電気工事士と併せて認定電気工事従事者の資格があれば、通知電気工事業者が行うことができる一部の電気工事の「簡易電気工事」 *1 を行うことができます。

※ 認定電気工事従事者の資格は、第2種電気工事士資格があれば、認定講習の受講後に取得することができます。

この「簡易電気工事」の実務経験を5年以上積めば、第1種電気工事士資格の実務経験と認められますので、試験に合格できれば登録電気工事業者として施工できる工事が増え、将来的な事業拡大を見据えることができます。

建設業許可取得に必要な実務経験は、登録電気工事業者と通知電気工事業者のどちらに従事したかは問われていませんので、それぞれ電気工事法で定められている範囲内で3年以上、経験を積み重ねることで専任技術者になることができます。

また、電気工事業の登録・通知をしていない業者様でも、建設業許可で求められている専任技術者の要件と電気工事業法の有資格者(主任電気工事士)の要件が異なることから、注文側として設計に従事した経験や、元請として工事を受注して施工を下請業者にお願いする電気工事等も、電気工事に携わった実務経験として認められるとのことです。(茨城県の場合)

※ただし、第2種電気工事士免状の交付を受けた者でなければ実務経験として認められないとされています。


*1 「簡易電気工事」とは、600V以下で使用する、500kw未満の自家用電気工作物のことです。

許可取得後の注意点とは?

電気工事業の建設業許可を取得したからといって、電気工事がすべて自社施工できるようになるわけではない事に注意が必要です。

許可取得後は、登録電気工事業者はみなし登録電気工事業者に、通知電気工事業者はみなし通知電気工事業者になるために、それぞれ遅滞なく届出・通知を都道府県知事にしなければなりません

みなし登録電気工事業者およびみなし通知電気工事業者になれば、500万円以上の電気工事を受注できるようになりますが、施工できる工事内容は、登録電気工事業者および通知電気工事業者と変わりません。

電気工事士ではない国家資格等で電気工事業の許可を取得することもできますが、許可取得後は、登録電気工事業者や通知電気工事業者などと下請契約を結んで、工事を施工してもらわなければなりません

そして、許可を取得した業種の専門工事は、たとえ500万円未満の工事であったとしても、主任技術者などを各工事現場に配置しなければなりません

原則として、専任技術者は現場で作業せず営業所に常駐することが前提とされていますので、専任技術者と同等の資格を持つ主任技術者などの人材を確保しておくことも非常に重要です。

また、建設業許可を継続して受けるために、資格取得者などの人材育成も大切になります。

許可を取得するということは、それなりの義務と責任を負うことになりますので、将来を見据えた許可の取り方を目指しましょう。

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