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建設業許可の「名義貸し」

2018/03/16

建設業許可における「名義貸し」とは?

建設業許可を取得するためには、経営業務の管理責任者と専任技術者の人的要件を満たす必要があります。

また、許可取得後も、経営業務の管理責任者や専任技術者の要件を満たした人材がいなくなってしまえば、人材の確保をし、変更届を提出しなければなりません。

もし、人材確保ができなければ、建設業許可の取消しのための手続きをとらなければなりません。

その人材確保の1つとして、他社で取締役を務める人的要件を満たした方や過去に取締役の経験がある方、または専任技術者になれる資格などを持つ方を、自社の取締役や技術者として迎え入れる方法があります。

そして、建設業許可取得後も、この経営業務の管理責任者と専任技術者は、常勤でなければなりません

許可の申請時に常勤として迎え入れるのはもちろんですが、許可取得後も常勤として勤務していなければ、「名義貸し」と判断されて罰則の対象になってしまいます。

これが、いわゆる建設業許可の「名義貸し」であり、違法行為です。

名義貸しにならないための注意点とは?

早く許可を取りたい場合や、経営業務の管理責任者や専任技術者を務める方の急な退職などで、許可の継続が難しくなってしまった場合に、要件を満たす経験者を雇い入れることや、仲のよい同業者の方が協力してくれることもあるかと思います。

そこで、以下のような注意が必要になります。

  • 社会保険等に加入し、常勤として勤務する。
  • 許可取得後や変更届提出後も、継続して常勤で業務に従事させる。
  • 他社で経営業務の管理責任者や専任技術者など、法令で専任性のある役職についていないこと。
  • 経営業務の管理責任者であれば、商業登記簿に役員として登記する。
    (個人事業は支配人として登記)
  • 他社の代表取締役は、厳しい要件を満たさなければ認められない。

上記はすべて重要ですが、特に気を付けなければならないことは、常勤として業務に従事させることと考えられます。

許可取得後や変更届提出後に常勤として勤務していないと判断されれば、虚偽の記載をしたとして罰則の対象になり、非常に思い罰を受けることになります

「名義貸し」の罰則とは?

建設業許可を申請する場合や、経営業務の管理責任者や専任技術者を変更するための届出について虚偽の記載をした場合、6月以下の懲役または100万円以下の罰金を科される可能性があります。

また、虚偽の記載をしたことが発覚した場合は、建設業許可を取り消されるだけではなく、以後5年間建設業許可を受けることができなくなります

罰則の対象となった建設会社や役員は公表されてしまうため、社会的信用を失うことにもなりますので、事業を続けることは困難となってしまうでしょう。

また、罰則を受けた者が新たに法人の役員として建設業許可を受けようとしても、5年経過するまでは許可を受けることができません。

許可を受けるということは、同時にそれなりの義務と責任を負うことになります。

ルール違反は、他の会社がやっているからといって許されることではありません。

正しい事をして事業の継続・成長ができる会社づくりを目指しましょう。

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