建設業法令遵守ガイドラインの改訂について
日本政府は、「下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省等連絡会議」を中心として、50年ぶりに下請代金の支払についての通達を見直すなど、中小企業の取引条件の改善を進めているところです。
国土交通省は、平成19年6月に、建設企業が遵守すべき元請負人と下請負人の取引のルールとして「建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-」を策定し、その周知に努めてきました。
その「建設業法令遵守ガイドライン」が、政府における取引条件の改善の動きを踏まえ、平成29年3月29日に一部改訂されました。
ガイドライン改訂の背景について
- 下請代金の支払手段に係る動き
- 関係法令の改正
平成28年12月に下請中小企業振興法に基づく振興基準等が改正され、下請代金の支払手段について見直しがされました。
建設業法施行令が改正され、物価上昇および消費税増税等を踏まえ、施工体制台帳の作成等を要する金額要件を引き上げました。
改訂された事項とは?
- 下請代金の支払手段について項目を追加
- 下請代金はできる限り現金払いにする。
- 手形等による場合は、割引料を下請事業者に負担させることがないよう、下請代金の額を十分協議する。
- 手形期間は120日を超えてはならないことは当然として、将来的に60日以内とするよう努力する。
- 違反行為事例の充実
- 関係法令の改正への対応
下請中小企業振興法に基づく振興基準等の改正を踏まえ、下請代金の支払手段に係る項目を追加し、下記内容について明記されました。
立入検査で多く見られる違反(のおそれのある)行為事例が追加されました。
平成28年6月1日施行の建設業法施行令の改正内容を反映させるため、帳簿の添付書類である施工体制台帳等の作成金額要件について改正されました。