適切な保険への加入が確認できない作業員の扱いについて
「下請指導ガイドライン」では、「遅くとも平成29年度以降においては、適切な保険に加入していることを確認できない作業員については、元請企業は特段の理由がない限り現場入場を認めないとの取扱いとすべきである」としています。
特段の理由とは、工事の円滑な施工に著しい支障が生じる懸念がある場合を除き、以下のような場合に限定するべきであるとされています。
- 当該作業員が現場入場時点で60歳以上であり、厚生年金保険に未加入の場合。(雇用保険に未加入の場合はこれに該当しません。)
- 伝統建築の修繕など、当該未加入の作業員が工事の施工に必要な特殊の技能を有しており、その入場を認めなければ工事の施工が困難となる場合。
- 当該作業員について社会保険への加入手続き中であるなど、今後確実に加入することが見込まれる場合。
なお、仮に特段の理由により入場を認めた場合であっても、あくまで特例的な対応であり、引き続き加入指導は行うべきであるとされています。
※上記「特段の理由」により現場入場が認められる場合は、「下請指導ガイドライン」上の扱いに限ったものであり、当然ながら法令上の加入義務が無くなるものではありません。
雇用と請負の明確化について
現場に入場する各作業員が就労形態に応じて入るべき保険を明確化するため、以下の方針を徹底することとされています。
- 元請企業は、作業員名簿に記載された作業員が、雇用されている労働者か疑義があり、企業と請負関係にある者か疑義がある場合は、作成した下請企業に確認を求めるなど、適切な保険に加入していることを確認すること。
- 下請企業は、労働者である社員と請負関係にある者を明確に区分したうえで、労働者である社員については保険加入を適切に行うとともに、請負関係にある者については、再下請負通知書を適切に作成すること。