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財産的基礎または金銭的信用

2016/10/14

財産的基礎または金銭的信用について

許可を取得することは対外的に信用を得ることを意味するため、その信用を担保する要素の1つとして、一定額以上の財産の有無を審査されます。財産要件は、一般建設業許可と特定建設業許可で大きく異なります。

一般建設業許可の財産的基礎と金銭的信用の要件(いずれか1つに該当すること)

  1. 自己資本の額が500万円以上であること

  2. 自己資本の額とは、法人の場合は貸借対照表「純資産の部」の「純資産合計」の額をいいます。

    個人の場合は、期首資本金・事業主借勘定・事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に、負債の部に計上されている利益留保性の引当金・準備金の額を加えた額をいいます。

    この場合は、申請日直前の財務諸表により証明します。

  3. 500万円以上の資金調達能力があること

  4. 資金調達能力については、担保とするべき不動産を有していることなどで、金融機関から資金の融資が受けられる能力があるかが判断されます。

    この場合、申請時1ヶ月以内の預金残高証明書・融資可能証明書・固定資産税納税証明書・不動産登記簿標本などで証明します。

  5. 許可申請直前の過去5年間に許可を受けて継続して建設業を営業した実績があること

  6. これは、許可更新時における財産的基礎の確認方法です。決算変更届などがきちんと届出されていれば、許可更新時に財産的基礎の確認は行われません。

特定建設業許可の財産的基礎と金銭的信用の要件(すべてに該当すること)

特定建設業について

  1. 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと

    • 法人の場合、貸借対照表のマイナスの繰越利益剰余金が、資本剰余金・利益準備金・その他の利益剰余金(繰越利益剰余金を除く)の合計額を上回る額の額のことをいいます。
    • 計算式
      -(資本剰余金+利益準備金+その他の利益準備金)-繰越利益準備金
      ≦0.2×資本金

    • 個人の場合、事業主損失が、事業主借勘定から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金・準備金を加えた額を上回る額のことをいいます。
    • 計算式
      事業主損失+事業主借勘定-事業主貸勘定≦0.2×期首資本金

  2. 流動比率が75%以上であること

    • 計算式
      動資産合計÷流動負債合計×100 ≧ 75%
  3. 資本金の額が2,000万円以上あること

    • 資本金の額とは、次の額をいいます。

    • 株式会社     ……… 払込資本金
    • 特例有限会社    …… 資本の総額
    • 合名・合資・合同会社 … 出資金額
    • 個人         ……… 期首資本金

  4. 自己資本が4,000万円以上あること

  5. 上記の1~4を満たしているかの判断は、財務諸表により行います。

    • 既存の企業は、申請時の直線の決算期における財務諸表
    • 新規設立企業は、創業時における財務諸表

※財務諸表上で資本金の額の基準を満たさないが、申請日までに増資を行うことによって基準を満たすこととなった場合には、上記基準を満たしているものとして取扱われます。

ただし、登記簿標本にて確認できる場合に限ります。

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久保行政書士事務所
代表者 行政書士 久保 明弘
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