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お知らせ

建設業法令遵守ガイドライン⑫

2017/04/10


建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-

11.帳簿の備付け・保存及び営業に関する図書の保存

建設業法上違反となる行為事例とは?

  1. 営業所ごとに、帳簿を備え、5年間保存することが必要
  2. 建設業法第40条の3では、建設業者は営業所ごとに、営業に関する事項を記録した帳簿を備え5年間保存しなければならないとされています。

    平成21年10月1日以降については、発注者と締結した住宅を新築する建設工事に係るものにあっては、10年間。)

  3. 帳簿には、営業所の代表者の氏名、請負契約・下請契約に関する事項などを記載することが必要
  4. 帳簿に記載する事項は以下のとおりです(建設業法施行規則第26条第1項)。

    1. 営業所の代表者の氏名およびその者が営業所の代表者となった年月日
    2. 注文者と締結した建設工事の請負契約に関する事項
      • 請け負った建設工事の名称および工事現場の所在地
      • 注文者と請負契約を締結した年月日
      • 注文者の商号・名称(氏名)、住所、許可番号
      • 請け負った建設工事の完成を確認するための検査が完了した年月日
      • 工事目的物を注文者に引渡した年月日
    3. 発注者(宅地建物取引業者を除く。)と締結した住宅を新築する建設工事の請負契約に関する事項
      • 当該住宅の床面積
      • 建設瑕疵負担割合(発注者と複数の建設業者の間で請負契約が締結された場合)
      • 住宅瑕疵担保責任保険法人の名称(資力確保措置を保険により行った場合)
    4. 下請負人と締結した下請契約に関する事項
      • 下請負人に請け負わせた建設工事の名称および工事現場の所在地
      • 下請負人と下請契約を締結した年月日
      • 下請負人の商号・名称、住所、許可番号
      • 下請負人に請け負わせた建設工事の完成を確認するための検査を完了した年月日
      • 下請工事の目的物について下請負人から引渡しを受けた年月日
    5. 特定建設業者が注文者となって資本金4,000万円未満の法人または個人である一般建設業者と下請契約を締結したときは、上記の記載事項に加え、以下の事項
      • 支払った下請代金の額、支払年月日および支払手段
      • 支払手形を交付したとき…その手形の金額、交付年月日および手形の満期
      • 下請代金の一部を支払ったとき…その後の下請代金の残額
      • 遅延利息を支払ったとき…その額および支払年月日

    ※上記の帳簿は電磁的記録によることも可能。

  5. 帳簿には契約書などを添付することが必要
  6. 帳簿には、契約書もしくはその写しまたはその電磁的記録を添付しなければなりません(建設業法施行規則第26条第2項、第6項)。

    また、以下の場合にはこれらの書類に加え、次のそれぞれの書類を添付しなければなりません。

    1. 特定建設業者が注文者となって資本金4,000万円未満の法人または個人である一般建設業者と下請契約を締結した場合は、下請負人に支払った下請代金の額、支払年月日および支払手段を証明する書類(領収書等)またはその写しを添付
    2. 特定建設業者が元請工事について3,000万円(建築一式工事の場合4,500万円。一次下請負人への下請代金の総額で判断。)以上の下請契約を締結した場合は、工事完成後に施工体制台帳のうち以下に掲げる事項が記載された部分を添付
      • 自社が実際に工事現場に置いた監理技術者の氏名およびその有する監理技術者資格
      • 自社が監理技術者以外に専門技術者を置いたときは、その者の氏名、その者が管理をつかさどる建設工事の内容およびその有する主任技術者資格
      • 下請負人の商号または名称および許可番号
      • 下請負人に請け負わせた建設工事の内容および工期
      • 下請負人が実際に工事現場に置いた主任技術者の氏名およびその有する主任技術者資格下請負人が主任技術者以外に専門技術者を置いたときは、その者の氏名、その者が管理をつかさどる建設工事の内容およびその有する主任技術者資格
  7. 発注者から直接建設工事を請け負った場合は、営業所ごとに、営業に関する図書を10年間保存することが必要
  8. 発注者から直接建設工事を請け負った場合は、営業所ごとに、以下の営業に関する図書を当該建設工事の目的物の引渡をしたときから10年間保存しなければならないとされています。

    (建設業法施行規則第26条第5項、第8項、第28条第2項)

    1. 完成図
    2. ※ 建設業者が作成した場合または発注者から受領した場合のみ。

    3. 工事内容に関する発注者との打ち合わせ記録
    4. ※ 相互に交付したものに限る。

    5. 施工体系図
    6. ※ 発注者から直接請け負った建設工事について、3,000万円(建築一式工事の場合4,500万円。一次下請負人への下請代金の総額で判断。)以上の下請契約を締結した特定建設業者の場合のみ。

    平成20年11月28日以降に引渡をしたものから適用されます。なお、上記の図書は電磁的記録によることも可能です。

建設業法上違反となる行為事例

建設業法上違反となる行為とは、以下のようなものがあります。

  1. 建設業を営む営業所に帳簿および添付書類が備付けられていなかった場合
  2. 帳簿および添付書類は備付けられていたが、5年間保存されていなかった場合
  3. 発注者から直接請け負った建設工事の完成図等の営業に関する図書が、10年間保存されていなかった場合

上記1~3のケースは、いずれも建設業法第40条の3に違反します。

※3については、平成20年11月28日以降に工事目的物の引渡しをしたものに限られます。

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建設業法令遵守ガイドライン⑪

2017/04/03


建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-

10.長期手形

建設業法上違反となるおそれがある行為事例とは?

建設業法第24条の5第3項では、元請負人が特定建設業者であり下請負人が資本金4,000万円未満の一般建設業者である場合下請代金の支払に当たって一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならないとされています。

  1. 割引を受けることが困難な長期手形の交付は建設業法に違反
  2. 元請負人が手形期間120日を超える長期手形を交付した場合は、「割引を受けることが困難である手形の交付」と認められる場合があり、その場合には建設業法第24条の5第3項に違反します。

  3. 望ましくは手形期間は120日を超えないこと
  4. 元請負人が特定建設業者か一般建設業者かを問わず下請代金を手形で支払う場合には、元請負人は下請負人に対し手形期間が120日を超えない手形を交付することが望ましいとされています。

建設業法上違反となるおそれがある行為事例

建設業法上違反となるおそれがある行為とは、以下のようなものがあります。

  1. 特定建設業者である元請負人が手形期間が120日を超える手形により下請代金の支払を行った場合

上記のケースは、建設業法第24条の5第3項に違反するおそれがあります。

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建設業法令遵守ガイドライン⑩

2017/03/24


建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-

9.支払保留

建設業法上違反となるおそれがある行為事例とは?

下請代金については、元請負人と下請負人の合意により交わされた下請契約に基づいて適正に支払われなければなりません。

建設業法第24条の3で、元請負人が注文者から請負代金の出来形部分に対する支払または工事完成後における支払を受けたときは、下請負人に対して、元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合および下請負人が施工した出来形部分に相応する下請代金を、支払を受けた日から1月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければならないと定められています。

また、建設業法第24条の5では、元請負人が特定建設業者であり下請負人が一般建設業者(資本金額が 4,000 万円以上の法人であるものを除く。)である場合発注者から工事代金の支払があるか否かにかかわらず下請負人が引渡しの申出を行った日から起算して50日以内で、かつ、できる限り短い期間内において期日を定めて下請代金を支払わなければならないと定められています。

そのため、特定建設業者の下請代金の支払期限については、注文者から出来高払いまたは竣工払を受けた日から1月を経過する日か、下請負人が引渡しの申出を行った日から起算して50日以内で定めた支払期日のいずれか早い期日となります。 (more…)

建設業法令遵守ガイドライン⑨

2017/03/21


建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-

8.工期

建設業法上違反となるおそれがある行為事例とは?

  1. 工期に変更が生じた場合には、当初契約と同様に変更契約を締結することが必要
  2. 建設工事の請負契約の当事者である元請負人および下請負人は、当初契約の締結に当たって適正な工期を設定すべきであり、また、元請負人は工程管理を適正に行うなど、できる限り工期に変更が生じないよう努めるべきであることはいうまでもないとされています。

    しかし、工事現場の状況により、やむを得ず工期を変更することが必要になる場合も多くあります。

    このような場合には、建設業法第19条第2項により、当初契約を締結した際と同様に変更の内容を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付しなければならないこととなっています。

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建設業法令遵守ガイドライン⑧

2017/03/16


建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-

7.赤伝処理

建設業法上違反となるおそれがある行為事例とは?

赤伝処理とは、元請負人が

  1. 一方的に提供・貸与した安全衛生保護具等の費用
  2. 下請代金の支払に関して発生する諸費用(下請代金の振り込み手数料等)
  3. 下請工事の施工に伴い、副次的に発生する建設廃棄物の処理費用
  4. 上記以外の諸費用(駐車場代、弁当ごみ等のごみ処理費用、安全協力会費等)

下請代金の支払時に差引く(相殺する)行為のことをいいます。

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建設業法令遵守ガイドライン⑦

2017/03/06


建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-

6.やり直し工事

建設業法上違反となるおそれがある行為事例とは?

  1. やり直し工事を下請負人に依頼する場合は、やり直し工事が下請負人の責めに帰すべき場合を除き、その費用は元請負人が負担することが必要
  2. 元請負人は下請工事の施工に関し下請負人と十分な協議を行い、また、明確な施工指示を行うなど、下請工事のやり直し(手戻り)が発生しない施工に努めることはもちろんであるが、やむを得ず、下請工事の施工後に元請負人が下請負人に対して工事のやり直しを依頼する場合には、やり直し工事が下請負人の責めに帰すべき理由がある場合を除き、当該やり直し工事に必要な費用は元請負人が負担しなければなりません。

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建設業法令遵守ガイドライン➅

2017/03/03


建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-

5.不当な使用資材等の購入強制

建設業法上違反となるおそれがある行為事例とは?

  1. 「不当な使用資材等の購入強制」の定義
  2. 建設業法第19条の4で禁止される「不当な使用資材等の購入強制」とは、請負契約の締結後に「注文者が、自己の取引上の地位を不当に利用して、請負人に使用資材若しくは機械器具またはこれらの購入先を指定し、これらを請負人に購入させて、その利益を害すること」である。

    ※ 元請下請間における下請契約では、元請負人が「注文者」となり、下請負人が「請負人」となります。

  3. 建設業法第19条の4は、下請契約の締結後の行為が規制の対象
  4. 「不当な使用資材等の購入強制」が禁止されるのは、下請契約の締結後における行為に限られます(more…)

建設業法令遵守ガイドライン⑤

2017/02/24


建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-

4.指値発注

建設業法上違反となる行為事例とは?

元請負人が下請負人との請負契約を交わす際、下請負人と十分な協議をせず、または下請負人の協議に応じることなく元請負人が一方的に決めた請負代金の額を下請負人に提示(指値)し、その額で下請負人に契約を締結させる指値発注は、建設業法第18条の建設工事の請負契約の原則(各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結する。)を没却するものであるとされています。

  1. 指値発注は建設業法に違反するおそれ
    • 「指値発注」とは、元請負人が下請負人と十分な協議をすることなく、元請負人が指定する価格で下請負人に工事を受注するよう強いることをいいます。
    • 指値発注は、元請負人としての地位の不当利用に当たるものと考えられ、下請代金の額がその工事を施工するために「通常必要と認められる原価」に満たない金額となる場合には、当該元請下請間の取引依存度等によっては、建設業法第19条の3の不当に低い請負代金の禁止に違反するおそれがあります。
    • (more…)

建設業法令遵守ガイドライン④

2017/02/20


建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-

3.不当に低い請負代金

建設業法上違反となるおそれがある行為事例とは?

  1. 「不当に低い請負代金の禁止」の定義
  2. 建設業法第19条の3の「不当に低い請負代金の禁止」とは、注文者が自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために、通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約で、請負人と契約締結することを禁止するものです。

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建設業法令遵守ガイドライン③

2017/02/11


建設業法令遵守ガイドライン-元請負人と下請負人の関係に係る留意点-

2.書面による契約締結 ②追加工事等に伴う追加・変更契約

建設業法上違反となる行為事例とは?

  1. 追加工事等の着工前に書面による契約変更が必要
  2. 請負契約の当事者である元請負人と下請負人は、追加工事等の発生により請負契約の内容で当初の請負契約書に掲げる事項を変更するときは、建設業法第19条第2項により、当初契約を締結した際と同様に、追加工事等の着工前にその変更の内容を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付しなければなりません。

    (more…)

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