経営事項審査とは?
経営事項審査とは公共工事の入札に参加する建設業者の企業力を審査する制度です。
全国一律の基準によって審査され、項目別に点数化された客観的な評点をもとに、公共工事の発注機関が業者選定を行う際の重要な資料として利用されています。
なお、公共工事の入札参加資格を得るためには、「入札参加資格要件」「客観的事項」「主観的事項」などの項目による資格審査を受けることになります。
そして、入札参加資格要件に合致した建設業者は客観的事項と主観的事項審査を受けます。
この客観的事項の審査が「経審」と呼ばれている経営事項審査であり、経営規模、経営状況、技術力等企業の総合力を客観的に基準で審査するものです。
なぜ経営事項審査を受けるの?
経営事項審査を受ける理由としては、公共工事の入札に参加するためです。
公共工事の入札に参加しようとする建設業者は、経審を受けることを義務付けられ、公共性のある施設または工作物に関する建設工事の範囲が定められました。
これらの工事の入札に参加するためには、経審を受けなければなりません。
公共工事とは?
公共性のある施設または工作物に関する建設工事とは、国、地方自治体、独立行政法人、国立大学法人および政府関係機関等が発注する工事で、工事の請負代金が建築一式工事の場合は1,500万円以上、その他の工事では500万円以上の工事をいいます。
ただし、下記の工事は除外されます。
- 堤防の結界、道路の埋没、電気設備の故障など、施設または工作物の破壊、埋没などで緊急を要する建設工事
- 経営事項審査を受けていない建設業者が施行することが、緊急の必要その他やむを得ない事情があるものとして国土交通省大臣が指定する建設工事。>/li>
また、公共工事の元請業者だけでなく、下請け業者にも経営事項審査の受審を勧める発注書も多くなっていますので、経審のみ受けておくことも戦略の1つとして考えられます。
経営事項審査の役割
平成23年6月に、国土交通省の建設産業戦略会議が「建設産業の再生と発展のための方策2011」を発表しました。
この中で、入札・契約制度について、災害発生時の建設業の対応や地元企業等を活用する元請企業の評価、下請け企業等の技術力の適正な評価、専門工事の施工内容の重要性等が指摘されています。
また、一件あたりの入札参加者が増加しており、入札に関する受注者、発注者双方のコスト削減も求められています。
このような状況を背景にして、経審を活用することがますます期待されるのです。
さらに、建設業は技術力や施工力、経営力にいっそう磨きをかけ、国民の期待に答えられるよう努力することが望まれ、適切で迅速な入札や契約が行われるためにも、建設業者選定の指標としての経審の活用が拡大することも考えられます。
このように経営事項審査の重要性が高まるほど、虚偽申請の防止、より客観的かつ公正な企業評価が不可欠となります。
経営事項審査の有効期間は?
経営事項審査は、公共工事の請負契約を発注者と締結する日前1年7ヶ月以内の日を審査基準日として受けていなければなりません。
そのため、毎年公共工事を発注者から直接請負おうとする建設業者は、審査基準日から1年7ヶ月の有効期間が切れることのなく継続するように、決算日から7ヶ月以内に経営事項審査を受けることが必要となります。