一括下請負禁止の明確化について
建設業者は、建設業法により一括下請負が禁止されています。
そして、実質的に施工に携わらない建設業者を施工体制から排除するため、一括下請負の判断基準を明確化すべきとであるとされたため、国土交通省は一括下請負の判断基準として、元請・下請それぞれが果たすべき役割を下記のとおり具体的に定めました。
発注者から直接請け負った建設業者(元請)が果たすべき役割
- 施工計画の作成
- 請け負った建設工事全体の施工計画書等の作成
- 下請負人の作成した施工要領書等の確認
- 設計変更等に応じた施工計画書等の修正
- 工程管理
- 請け負った建設工事全体の進捗確認
- 下請負人間の工程調整
- 品質管理
- 請け負った建設工事全体に関する下請負人からの施工報告の確認、必要に応じた立会確認
- 安全管理
- 安全確保のための協議組織の設置および運営、作業場所の巡視など請け負った建設工事全体の労働安全衛生法に基づく措置
- 技術的指導
- 請け負った建設工事全体における主任技術者の配置等、法令遵守や職務遂行の確認
- 現場作業に係る実地の総括的技術指導
- その他
- 発注者等との協議、調整
- 下請負人からの協議事項への判断、対応
- 請け負った建設工事全体のコスト管理
- 近隣住民への説明
元請業者は、以上の事項を全て行うことが求められます。
元請業者以外の下請業者が果たすべき役割
- 施工計画の作成
- 請け負った範囲の建設工事に関する施工要領書等の作成
- 下請負人が作成した施工要領書等の確認
- 元請負人等からの指示に応じた施工要領書等の修正
- 工程管理
- 請け負った範囲の建設工事に関する進捗確認
- 品質管理
- 請け負った範囲の建設工事に関する立会確認(原則)
- 元請負人への施工報告
- 安全管理
- 協議組織への参加、現場巡回への協力など、請け負った範囲の建設工事に関する労働安全衛生法に基づく措置
- 技術的指導
- 請け負った範囲の建設工事に関する作業員の配置など
- 法令遵守
- 現場作業に係る実地の技術指導*1
- その他
- 元請負人との協議*1
- 下請負人からの協議事項への判断、対応*1
- 元請負人等の判断を踏まえた現場調整
- 請け負った範囲の建設工事に関するコスト管理
- 施工確保のための下請負人調整
下請は、以上の事項を主として行うことが求められます。
*1 下請が自ら請けた工事と同一の種類の工事について、単一の建設業者と更に下請契約を締結する場合に必須となる事項です。